株式会社 中定樹脂

樹脂の基礎

樹脂とは?

皆さんの身近にあるプラスチックは別名、合成樹脂と言います。

一般的に樹脂とは木などから分泌される天然樹脂、そして人工的に石油から作られるものが合成樹脂といい、大きく2つに分けられます。天然樹脂とは輪ゴムなどの原材料として知られていますが、他にも松ヤニ、漆、琥珀(宝石類)など様々な用途があり、人の生活や地域貢献に欠かさない素材として数多くの分野で活躍しています。

弊社が取り扱っているのは後者の人工的に石油から作られた合成樹脂であり
皆さんにとってのプラスチックであります。

「合成樹脂」別名プラスチックは1900年代初めにベルギー人ベークランドという人物が石炭から炭化水素物質を抽出し高分子プラスチックを発明したと言われており、
合成高分子からのプラスチックというものが本格的に製造され始めたのが第二次世界大戦後なので産業としての歴史はまだ70年程ということになります。
弊社の初代創業が50年前ですので日本国内でプラスチックが流通し始めた頃から続いている会社だと言えると思います。

第二次世界大戦中には銅やアルミ、鉄は大変貴重なものとなり、プラスチックの需要が急速に増加し、機械メーカーや製造メーカーが栄えたことから、結果的に現代の一般家庭にまでプラスチックは浸透してきました。

合成樹脂には大きく分けて熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の2種類ありますが、弊社では熱すると軟化し、冷やすと固まる熱可塑性樹脂を取り扱っており、世に流通しているプラスチックと言われるもののほとんどが、この熱可塑性樹脂だと言われています。

それでは身近にあるプラスチックとは一体どんなものがあるのでしょうか。
熱可塑性樹脂は機能性で大きく分けて汎用樹脂、エンプラ、スーパーエンプラと3つに分けられており、ここでは弊社で日頃、携わっており、皆さんの生活に馴染みのある汎用樹脂を主にプラスチックの種類などについて説明します。

PP(ポリプロピレン)とは?


通称PPはプロピレンを重合させた熱可塑性樹脂であり汎用樹脂の中で最高の耐熱性を誇る。比重が最も小さく水に浮かぶという特徴があります。汎用樹脂としては比較的、機械的強度が高く、耐薬品性に優れ、吸湿性が無いという特徴から日用雑貨から車関係など多岐にわたり使用されています。
そのポリプロピレン自体には種類があり、ポリプロピレンだけを単独で重合させた『ホモポリマー』、エチレンを少々、混ぜて共重合させた『ランダムポリマー』、その『ランダムポリマー』にゴム成分が均一に混ぜられた『ブロックコポリマー』の3種類に分けられそれぞれにまた、特徴があり、使い分けられている。

・ホモポリマー
  剛性が高く光沢性があり、食品トレーや食品包装フィルム、梱包用延伸テープに使用されています。
・ランダムポリマー
  透明性が高く柔軟。透明ボトルやタバコの箱のラッピングなどに使用されています。
・ブロックコポリマー
  ゴム成分が入っているぶん、耐衝撃性の向上するのでコンテナや自動車部品、家電製品、冷凍食品用トレーなどに使用されています。

また、ポリプロピレンは射出成型、押出成形、真空成型、ブロー成型などの様々な方法で加工できることも利点の一つです。

主な用途
食洗機、洗濯機、タッパー、ケース、カーペット、ロープ、使い捨ておむつ、注射器、バッテリーケース、ファン

PE(ポリエチレン)とは?


通称PEはエチレンを重合させた熱可塑性樹脂で日本国内における全プラスチック生産量のうち25%を占めています。さらに原料価格が最も安く非常に加工がしやすい。
PP同様に耐薬品性、食品衛生性が高い上に、低温特性に優れており、−20℃程度なら耐えることがでます。
また水、油、薬品に強く、電気絶縁性も高いが、熱に弱くすぐに燃えてしまう。

そのポリエチレンにも代表的に『LDPE』(低密度ポリエチレン)『HDPE』(高密度ポリエチレン)の2種類に分けられており、それぞれで特性や用途が違う。

『LDPE』(低密度ポリエチレン)
密度や結晶性が低いため軟質ポリエチレンとも言われています。
加工性がよく、フタやキャップだけでなく、フィルムにすると透明度が高いのでポリ袋、食品ラップ、紙パックの内側コーティングなど包装材によく使われています。

『HDPE』(高密度ポリエチレン)
硬質ポリエチレンとも言われ、「LDPE」に比べ熱に強く、防湿性やバリア性が良い。
こちらは容器類、文具や日用品など生活雑貨が主な用途です。薄くても強度があるためスーパーやコンビニの白いレジ袋として使われています。

ここで以上の2種類以外に後2種類ポリエチレンの仲間がいますので紹介しておきます。

『EVA樹脂』
エチレンと酢酸ビニルを共重合させた熱可塑性樹脂で、実は酢酸ビニル(VA)含有量が4%までのEVAは修飾ポリエチレンと言い、4%〜30%までは『エラストマー』という樹脂にも分類されておりそれ以上がエチレン酢酸ビニルゴムと呼ばれます。樹脂は本当に奥が深いですね。
ゴムのようなプラスチックで、この樹脂も皆さんの身の回でよく見かけるはずです。通常のポリエチレンよりも軽量で柔軟性と弾力性をも持ち、水を吸わず、丈夫で千切れなにくいという性質からサンダルの底やバスマット、ジョイントマットなどに良く使われます。ポリエチレン同様、高い食品衛生性や耐久性に加え燃やしてもダイオキシンは発生せずリサイクルが容易です。


『超高分子量ポリエチレン』
通常のポリエチレンであれば多くても30万程の分子量ですがこれを最大700万程まで高められたポリエチレンであり、その特性からエンプラ(エンジニアプラスチック)に分類されています。
・通常のポリエチレン同様に比重(0.92〜0.94)が軽い。
・非常に高い耐衝撃性を持ち、これはポリカーボネートを上回ります。またこの特性は幅広い温度領域においても低下しない。
・耐摩耗性に優れ、自己潤滑性を持っており、砂での摩耗試験ではフッ素樹脂やポリアセタールより良い。
・耐薬品性を持ち、食品安全衛生樹脂である。

以上のことから素晴らしい特性を持っていながら比重が通常のポリエチレンと変わらないのが驚きです。原料自体も高価で特殊な加工方法が必要ですが、主に工業関係や農機具類、レジャーに人工骨や義肢材料にも関わっており、これからも全世界で活躍し続ける材料でしょう。

主な用途 
フィルム、シート、食品容器、食品チューブ、バケツ、サンダル、灯油タンク、電線被覆、紙パックの内張フィルム

ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)とは?

通称ABSアクリロニトリル、ブタジエン、スチレンを共重合させた熱可塑性樹脂です。原料の頭文字をとってABSです。剛性、耐衝撃性、硬度、加工性など機械的特性のバランスが良く様々なものが作られている。原料の配合比率を変えることで特性の強調が可能。印刷などが容易で有機溶剤で溶着も可能(アルカリ、酸性では不溶)
一方で耐候性、耐薬品性は良くなく、直射日光やアルコール、鉱物油、強酸、強アルカリの付着によって劣化し、ケミカルクラックなどの原因になります。

品種改良されたグレードも良く使われており、有名なものではAASやAESなどが知られています。他にも多数ありますが汎用的に使われるのが多いものを上げます。
・繊維強化
主に剛性の向上が目的に各種繊維をコンパウンドする。最も多いのがガラス繊維(GF)で導電性を持たせるための炭素繊維(CF)や反り軽減のためのマイカなどもコンパウンドされております。
難燃
難燃材を樹脂に練り込むことで燃えないプラスチックが作れます。
他の各樹脂でも難燃機能を備えるグレードはありますが、比較的、ABSは難燃化されることが多い。
・AAS
ABSのブタジエンゴムをアクリルゴムに変えたもの。耐衝撃性を維持しつつ耐候性の向上が図れる。
・AES
ABSのブタジエンゴムをエチレン系のゴム(EPDM)に変え、ABS同様の機械的特性とAAS同様の耐候性を持ち、熱的特性も落ちないが75℃程度で軟化が始まる。

品質改良グレードは他にもまだあり、一般雑貨から機械まで幅広く使用されているので、意識すると身の回りには沢山あります。

主な用途 
ノートパソコン、プリンター、カーナビフレーム、洗濯機、冷蔵庫、テレビ、キャリーケースなど、各種ボディ関係

PS(ポリスチレン)とは?

通称PSは原油→ナフサから合成されるスチレンをモノマーとするポリマーで、熱可塑性樹脂です。ABSやPP同様、最も多く使われている樹脂です。原料も安価で加工性が高いことから様々な成型方法で製造されます。

光透過性や透明性に優れており、とても軽量です。(PP.PEに次いで3番目)
絶縁性が高く、電気を通しにくいです。加工時の熱での安定性が良く、着色しやすいです。
耐候性にも優れており、食品容器などにも使われています。その反面、耐熱性は低く、耐薬品性、耐油性に劣り、衝撃には非常に脆い。
発泡剤を加えて成型されるのが、『発泡スチロール』です。


『HIPS』
GPPSグレードにゴム成分を加えてあり、白っぽくなり透明性は失われるが、衝撃性が大幅に向上させてあリます。耐熱性は低いままで、ゴムの分で剛性も低下しています。(曲げや、ねじれの影響)

主な用途
プラモデル、使い捨て容器にスプーン、包装フィルム、ケース類、発泡スチロール、緩衝材、日用雑貨

PMMA(ポリメタクリレート)とは?

こちらは一般的に『アクリル』と呼ばれており、メタクリル酸エステルを重合させた熱可塑性樹脂です。比較的、加工が容易でありガラスよりも高い透明性を持ち強度もあることから、様々な使い方がなされ、昨今では、皆さんの身近に『アクリル板』としてそこら中で見かけるはずです。

材料選定の際にPC(ポリカーボネート)と比較されますが透明度はアクリルの方が上ですが、耐衝撃性に置いてはPCの方が遥かに優れています。

耐候性が非常に良く、直射日光下での使用が可能であり、耐薬品性も良いことから主に外でガラスの代わりに使用されております。しかし、シンナーやベンジンなど有機溶剤には弱い特徴があります。

主な用途
液晶パネルの導電板、自動車ランプのレンズ、各種レンズ、看板、照明関係、水槽、
日用雑貨

PC(ポリカーボネート)とは?

通称PCは熱可塑性のエンジニアプラスチックに分類され、上記までの汎用樹脂とは異なる高い特性で知られており、透明性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性、寸法安定性などにおいて非常に高い特性を示します。透明性こそ『アクリル』に劣りますが、耐衝撃性は約50倍ほどあります。その上、加工性に優れており、幅広い温度環境下での使用に耐えうる素材。

その衝撃性から航空機の窓や防弾ガラスとして使用されるほか、透明性においては光学用途にも使用できます。挙げればキリが無いほど様々な分野で活躍している材料です。
その反面、耐薬品性や耐油性など劣ります。基本的に表面硬度があまり高くなく、硬いもので擦ると傷がつきますが、改良グレードも存在しています。

またガラス繊維強化グレードやABS等とのアロイもあり、より優れた衝撃性が得られます。

主な用途
窓類、各種レンズ、カメラ、家電全般、航空機、船、医療機器、建材、軍事備品

POM(ポリアセタール)とは?

通称POMは正式にはポリオキシメチレンと言い、特性は耐磨耗性に優れた素材で、自己潤滑性がある。また剛性や靭性といった機械的特性にも優れ、高い温度安定性を持つ素材であり、金属の代わりに使われる事が多いです。

POMは結晶性プラスチックとして、オキシメチレン構造によるポリマーである。ホルムアルデヒドのみが重合したホモポリマーと、ホルムアルデヒドにエチレンオキシドが加わったコポリマーの2種類である。均質重合体であるホモポリマーのポリアセタール(POM)が、デュポン社が開発したデルリンであり、共重合体のコポリマーの代表格と言われるのが、ポリプラスチックス社のジュラコンである。

その特性から高い強度や耐磨耗性が要求される製品に使用される。その代表的なものがギヤやベアリングといった回転運動が伴い機械を稼働させるパーツ類です。またグリップ、フックといった強度が求められる素材として重宝される素材でもある。その分野は工業用パーツから楽器、日用品のパーツなど、エンジニアリング・プラスチックらしく強度と耐久性が要求される部分にパーツとして使用されることが多いです。

主な用途
ギヤ、フック、ベアリング、モジュールパーツ、自動車部品、家電製品

PA6(6ナイロン)とは?

ナイロンという名は固有名詞であり、正式にはポリアミドといいます。
日本国内で製造されるナイロン樹脂の大半は6ナイロンです。

結晶性が高く、幅広い温度域での機械的特性があり、耐薬品性に優れ、強靭性、耐衝撃性、柔軟性を持ち、さらにガラスなどの充填剤での大幅な補強が可能です。エンプラとして使われる他、繊維として使われます。

主な用途
自動車部品、コネクター、雑貨、容器、食品フィルム

PA66(66ナイロン)とは?

ナイロン樹脂には様々な種類がありますが、その中でこのPA66が最も優れた機械的強度を持っており前述のPA6との大きな違いは原材料にありますが、耐熱性、機械的強度においてより優れた値があり、用途もかなり違います。

耐薬品や耐衝撃性など物性のバランスが良くこちらもグラスファイバー
機械的強度、剛性などが飛躍的に向上させることが出来る。

PA6同様に親水性があるため、吸湿、吸水が凄いです。
吸水率は最大で10%と大きく、飽和吸水状態では絶乾時と比べて強度が遥かに下がります。
寸法安定性にも影響があります。
ただ、その吸湿性のおかげでバランスの良い柔軟性や靭性に繋がっている面もあります。

このPA66樹脂という樹脂が世界的に不足し、未曾有の事態となっており
現在、回復の見通しはハッキリついていません。

主な用途
衣料用繊維、ギア、ローラー、軸受け、機械部品、自動車部品

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〒614-8175
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